鳥取砂丘 Sand Dune
10万年以上の歳月をかけて形成された「鳥取砂丘」。私たちが砂の上に歩き残した無数の足跡はひとたび風が強く吹けば微塵もなく消え去ってしまう。現世に生きる人間の営みも幻想かのように。東の空から昇りくる太陽は光のコントラストを生み出す。一瞬生じる圧倒的な美の極み。日本海へと陽が傾くとき、瑠璃色の空が海に映える。月の光に照らされる砂丘は耳元で優しく物語を語る。自然の中の「砂の美術館」。春夏秋冬、自然の物語は同じ情景を生み出さない。月夜に砂丘を歩く。神々しい月明かりに一人佇むと砂の奥底深くから地球の息吹が聴こえてくる。
小鳥の家族 kotori no kazoku
「小鳥の家族」は鳥取に集う家族を撮影するプロジェクトとしてスタート。2013より毎秋、鳥の劇場主催「鳥の演劇祭」のプログラムの一つとして、鳥取市鹿野町の溢れる自然を舞台に開催しています(翌2014年からは鳥取砂丘をはじめ、森や湖畔も撮影の舞台となっています)。鳥取は写真家の故郷(ふるさと)。人生で最も多感な時期を過ごした土地です。鳥取は帰るところからいつしか通う場所へと変わりました。故郷の空は高く、砂丘越しに眺める海は昔も今も同じ風景です。毎日、やってくる新しい日々。それゆえ家族や親子、兄弟姉妹で一緒にいられる時間は限られたものです。人生の中では儚いほど一瞬で過ぎてゆく時間かもしれません。家族のカタチを写し、幸せのカタチを紐解く。写真家が家族と向き合い、因州和紙という文化にのせ、作品発表しています。
小鳥の家族 in 鳥取砂丘
この地球(ほし)、砂の世界を体験しよう
砂に描く一枚の家族写真
砂丘の上に寝転がり
家族で見上げる星空
この夏、初めての体験
小鳥の家族 in 町田
2013年、小さな町、豊かな自然を舞台に始まった写真プロジェクト「小鳥の家族」
普通に暮らす”家族”をファインダー超しに見つめた小さな旅
2014年、舞台は東京、町田へ。家族と町をつなぐ「小鳥の家族 in 町田 Cafe Travessa」
『旅する客船』since1999
『海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がいる。
そして母よ。仏蘭西人の言葉では、あなたの中に海がある。』
詩人・三好達治の「郷愁」と題された詩の中の言葉です
フランス語では「母」のことをmère(メール)といいます
また「海」のことはmerと表記して同じ発音です
つまり、“母の中に海がある”というわけです
私にとって写真家への道標となった客船
海の上に浮かぶファンネル(煙突)を見つけるたびに
今日も「ただいま」という言葉を心の中で呟きます